コロナショックの裏で起きている原油戦争がヤバい【表と裏の理由】
原油安が気になる人「コロナショックで原油が暴落しているなぁ。コロナウイルスと原油と何が関係しているのかな?」
こういった疑問に答えます。
本記事の内容
- 原油安の理由①:コロナウイルスショックによる原油の利用機会減少
- 原油安の理由②:サウジやロシアによるアメリカのシェール企業潰し
- 原油安がもたらす日本の影響は?【衝撃の事実】
この記事を書いている僕は、投資歴9年ほど。
今回の株価暴落も事前に予測し、うまく対応することが出来ています。
正しい情報を知る事ができれば今後の株価予測にも大いに役立ちます。
※3分ほどで記事は読み終わります。
コロナウイルスショックによる原油の利用機会減少
現在、世界各国で「ヒト・モノ」の移動が制限されています。
- 旅行に行きたくても入国制限で旅行できない
- 海外の商品を輸出入したくてもできない
飛行機は大量のジェット燃料を使用しますが、その飛行機が飛びません。
つまり、ジェット燃料の需要が大きく落ち込んでいるということです。
需要がなければ価値が下がります。
これが原油安になっている表の理由です。
でももっとヤバいのは裏の理由です。
サウジやロシアによるアメリカのシェール企業潰し
結論から言います。
米国のシェールオイル企業を潰すため、ロシアとサウジアラビアが原油戦争を仕掛けました。
2020年3月6日に石油輸出国機構(OPEC)の加盟・非加盟の主要産油国による減産協議が行われましたが、交渉が決裂し、サウジアラビアやロシアが原油増産に乗り出すことが決まりました。
交渉が決裂した原因はロシアです。
サウジアラビアが市場への供給を減らして原油価格を維持しようとしたんですが、
ロシアは協調減産に加わっていない米国にシェアを奪われることを嫌って、原油減産を断りました。
すると今度はサウジアラビアがキレて、「それならこっちも増産するわ」と増産に踏み切りました。
モノの価値は需要と供給で決まります。
表の理由でも述べましたが、新型肺炎コロナウイルス蔓延により、ただでさえ石油需要の減退しているのに
増産するとなると供給過多になり、原油価格が下がってしまいます。
これでは原油が重要な収入資源であるはずのロシアは大ダメージです。
じゃあ、何故ロシアは原油減産を断ったのでしょうか?
理由はアメリカのシェールオイル企業を潰すためです。
社会人の皆さんが学生の頃、学校の社会の授業で原油の採れる国って習いましたよね。
サウジアラビア、ロシア。このあたりの国が良く採れる国として習ったはずです。
しかし、最近アメリカを筆頭とする「シェールオイル」という原油を採掘する技術が確立し、
今やアメリカは世界No.1の原油産出国となっています。
しかも埋蔵量は膨大で今のところ枯渇の心配もありません。
ロシアやサウジアラビアからするとシェアを奪われて気分が良くないですよね。
元々、アメリカとロシアは仲が悪いので、ロシアとしては反逆の機会の狙っていました。
そして今のコロナショックです。
新型肺炎コロナウイルス蔓延によりアメリカはパニックになっています。
その混乱に乗じて、ロシアは奇襲を行いました。
それが今回の原油増産です。
肉を切らせて骨を断つ! アメリカのシェール企業を潰そう
今、原油価格は1バレル20ドル程度です。
米国の新規シェール油田の採算ラインは1バレル40~50ドル程度。
30ドル以下では既存の油井を含め大半が採算割れになるとされています。
だから、このままいくと体力のない米国のシェール企業は次々と倒産します。
もちもんサウジアラビアやロシアもダメージを受けますが、特にシェールオイルは採掘コストが高く、
アメリカの中小企業の方が先に倒産して潰れる可能性が高いという算段です。
そして、アメリカのシェール会社が潰れた後に減産を再開して、値上げをしようという
目論見をしています。
3月19日付日刊紙Vedomostiは、「石油市場における油価戦争は誰にとり有利か?」と題する長文解説記事の中で
「この油価戦争において勝利者は存在しない」と報じていて、泥沼化しています。
まさに誰が最初に値を上げるかのチキンレースですね。
原油安がもたらす日本の影響は?【衝撃の事実】
原油安なんて遠い国の出来事だから日本にはあんまり関係ないかなー、と思っている人がいるかもしれませんが、そうではありません。簡単に影響をまとめます。
- 1・ガソリン価格が下がる
- 2.アメリカや日本の株価が下がる
- 3.シェール企業が倒産すると日本の銀行が借金を背負うことになる
順に解説していきます。
1.ガソリン価格が下がる
これは皆さんにとって朗報ですよね。日々のガソリン価格が下がるので安く車の給油ができます。
現在は既に仕入済みのガソリンで給油しているのでそれほど価格は落ちませんが、数ヵ月後にはかなり安くなっているはずです。
2.アメリカや日本の株価が下がる
現在の株価急落原因は次の2点です。
①新型肺炎コロナウイルスによるコロナショック
②原油安による資金調達の為、株式市場から資金を引き揚げたことによる株安
産油国の財政が悪化し、オイルマネーで保有している株の換金売りを迫られています。
莫大なオイルマネーが市場から引き揚げられているため、株価が暴落している状況です。
3.シェール企業が倒産すると日本の銀行が借金を背負うことになる
アメリカのシェール企業が倒産した場合、損失を被るのは日本の銀行です。
何故かというと、日本の銀行はシェール企業など信用力が低い企業への融資をまとめて証券化した高利回りの金融商品「ローン担保証券(CLO)」をたくさん購入しているからです。
CLOは、2008年のリーマン・ショックの引き金となった信用力の低い個人向け住宅ローン(サブプライムローン)と仕組みが似ていると指摘されています。
今年9月末時点の投資残高は農林中金が7兆9000億円で国内最多。
三菱UFJフィナンシャル・グループが2兆4733億円、ゆうちょ銀行が1兆5241億円と続いています。
日銀のリポートでは、リーマン・ショック級の経済危機が起きると、米国企業の破綻などでCLOの価格は二~三割程度、下落する可能性があると分析。
場合によっては日本の金融機関も大規模な損失を被りかねないと、注意を喚起しています。
ちなみに、この危ないCLO商品を買っているのはほぼ日本だけです。
あれ?
今まさに、コロナショックはリーマンショック級とか、それ以上とも言われていますよね。。。
日本、実はかなりピンチです!
なんとか、石油原産協議が再開される事を祈りましょう。